夜は来む

僕はその日、些細なことで父と言い争いをし、不貞腐れて床に寝転がっていた。腹立たしい父と、好きになれない昼の光、すべてからそっぽを向く為に。



コツ、コツ……コツ…　…

―――ねえ、君、




―――君、名前は？



――― ……ヨアキム。



―――そう。君がヨアキム。……嗚呼、探したよ、ヨアキム。
―――探した…僕を？何故？（どう考えても彼とは初対面だ）





―――ヨアキム、ヨアキム。君は夜の子。僕と同じ夜に生きる子ども。




―――昼に憧れる気持ちはわかるけれど、この時間は僕らには毒になりかねない。
　　　　 ヨアキム。僕と一緒に行こう。

（彼は何を云っているんだ？）



――― …話が見えない。大体、君は誰なんだ？
――― ……そうか。そうだね。じゃあ、まず、少しずつ僕らの話をしよう。

コツ、コツ、コツ
遠くから足音が近づいてくる。…あれは、父の足音だ。



―――でも、今日はこれでさよならだ。



―――また来るよ。
――― …それは、いつ？





―――近いうちに。


――― ………ねえ、屹度、君はいつか「Ja」と応えてくれるね？

そんな寂しそうな眸をしないで欲しい。すぐにでもJaと応えてしまいたくなる。
でも、屹度。
いつか、屹度…



僕らは屹度、良いコンビになる。